1. シチリア
美しい地中海の真ん中に浮かぶシチリア島。ここはイタリア本土とはまた異なる魅力を持つ、独自の文化と美食が詰まった島です。イタリアと言えばピザやパスタといった料理が有名ですが、シチリア料理はアラブやギリシャ、スペインなどの影響を受けた独特なもの。私がこのシチリア一周の旅を決意したのは、そんな多様な文化が融合した料理や景観を味わい尽くしたいという思いからでした。7日間にわたるこの旅は、まさに「おいしいもの」と「素晴らしい景色」に満たされた冒険だったのです。
2. どんな日程ツアー？
【1日目】パレルモ – 活気ある市場とカラフルな街並み
シチリアの州都であり、島の玄関口でもあるパレルモ。ここに足を踏み入れると、目に飛び込んでくるのは、色とりどりの果物や魚介類が並ぶマーケット。まず向かったのは有名な「バラロ市場」。ここでは地元の人々が日常的に新鮮な食材を買い求めていて、観光地とは違うリアルな生活の息吹を感じられます。カラフルな市場を歩いていると、アランチーニ（ライスコロッケ）やパネッレ（ひよこ豆の粉で作られた揚げ物）といったシチリア名物の軽食が目に入ってきて、ついつい手が伸びてしまいます。夜には、地元のトラットリアでシチリア風のパスタ「パスタ・アッラ・ノルマ」を堪能。トマトソースとナス、リコッタチーズの組み合わせが絶妙でした。
【2日目】チーファル – 海辺の小さなリゾート
次に訪れたのは、海沿いのリゾート地チーファル。ここのビーチは透明度が高く、紺碧の海が広がっていました。ゆったりと海辺で過ごした後、昼食に選んだのはシーフードレストラン。魚介たっぷりのパスタ「スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレ」はシンプルながらも、素材の新鮮さが際立ち、さっぱりとした味わいで大満足。食後にはイタリアンジェラートで締めくくりです。
【3日目】シラクーサ – 古代と現代が融合する街
シチリアの東側に位置するシラクーサは、古代ギリシャ文明の遺跡が残る歴史的な都市。最も有名な「ネアポリス考古公園」では、大きな円形劇場や洞窟のような耳の形をした「ディオニシオスの耳」を見学。シチリアの歴史を感じると同時に、夜には港沿いのレストランでイカ墨パスタ「パスタ・ネーラ」に挑戦。黒い見た目には少し驚きましたが、濃厚で風味豊かな味わいに感激しました。
【4日目】カターニア – 火山と共存する町
4日目の目的地は、エトナ山の麓に広がる街カターニア。世界遺産にも登録されたエトナ山のふもとで生活する地元の人々は、火山を自然の一部として受け入れ、生活に取り入れています。エトナ山周辺のワイナリーで生産されるワインは、火山灰の影響で独特の風味があり、特に白ワインは絶品。エトナ山を眺めながらワイナリーでのテイスティング体験は、シチリアの自然と人々の営みを感じる素晴らしい時間でした。
【5日目】タオルミーナ – 美しい風景とリゾートの街
タオルミーナは、その美しい景観から「シチリアの宝石」とも称されるリゾート地です。特に、有名なギリシャ劇場からは、エトナ山と海を同時に眺めることができ、まるで絵画の中に入り込んだような感覚に。この街には高級ホテルやレストランも多く、少し贅沢なランチとして新鮮なタコとトマトのサラダをいただきました。デザートにはシチリア名物のカンノーロ。サクサクの生地とリコッタチーズの甘みが絶妙でした。
【6日目】アグリジェント – 古代遺跡と美しい夕日
シチリア島の南岸にあるアグリジェント。ここには古代ギリシャの遺跡群が広がり、その壮大さに圧倒されます。「神殿の谷」と呼ばれる場所では、神殿がいくつも並び、その姿はまるでギリシャ本土にいるかのよう。夕暮れ時に訪れると、遺跡が黄金色に輝き、幻想的な風景を楽しめました。この日は、アグリジェントの街中で、地元の食材を使ったラビオリに舌鼓を打ち、旅の終わりに近づく感慨に浸りながら夜を過ごしました。
【7日目】パレルモ – 旅の締めくくり
再びパレルモに戻り、最後の一日は島の北部を巡りながら、残りの観光スポットや食事を楽しみました。特に印象的だったのが、ノルマン様式とアラブ建築が融合した「モンレアーレ大聖堂」。壁一面を覆うモザイク画は圧巻で、シチリア独自の文化的融合を改めて実感しました。最後の食事には、シチリア風のピザ「スフィンチョーネ」を堪能し、名残惜しさを感じつつ帰路につきました。
3. まとめ
今回のシチリア島一周の旅は、食と景色と文化の全てが詰まった贅沢な冒険でした。パレルモの活気ある市場から、タオルミーナの美しい風景、カターニアの火山地帯まで、それぞれの街には異なる魅力があり、訪れるたびに新たな発見がありました。シチリアは、単に美しい観光地というだけでなく、食材や文化が多様に混ざり合ったユニークな地域です。
この旅を通じて感じたのは、シチリアの人々の温かさと、自然との共生の姿でした。皆さんもぜひ一度シチリアを訪れて、その魅力を存分に味わってください。
